台風が去りかかった明け方
チビ黒を保護した。



小さく黒く丸まった塊は、
猫さんに囲まれていた。亡くなった子猫に見間違う程
小さかった。犬と判り何も考えず
咄嗟に抱っこをし連れ帰った。


ゆきに感染症を移しては大変と
常に準備のある
ラテックス手袋、ビニールエプロン装着。
チビ黒は完全包囲。
流石にビルコン等の用意が無い為、仕方無く
抱っこし通った経路をハイター消毒したと思う。

ゆきに接する際には、服を全て着替え
更に可能な限り消毒に勤しんだ。
今思えば随分と無謀な事をした。このチビ黒が
もし黒くなければ、もし大型であったなら。。。

薄情な自分は「犬」を拾っていなかったのだろうか。

そして救急病院探し。
確か、何処も彼処も丁度夜間診療との
狭間だったのだと思う。

もっと落ち着いて探せば的確な病院はあっただろう。
何故DVMへ行かなかったか?
5年前どうだったのだろうか。
直ぐにパニクる自分は某悪名高き病院に
チビ黒を預けた。一ヶ月強入院したのだったと思う。

自宅に迎い入れたチビ黒は
ウソだろ?と思える程甘噛み激しく
傷だらけになった。

犬ってこうやって甘噛みをするものなのか。。。

ゆきは人間の手や、その他齧られて
こちらが困る物は一切齧った事は無い。
しかし黒い小さな犬はあらゆるコード
目に触れる物全てボロボロにした。
ゆきの大事な縫いぐるみまでも。

何だ?この生き物。。。

チビ黒は、ゆきを慕った。
ゆきのお腹の下に潜り込むと安心をした。

優しい目で追うゆき。
ゆきが自分の立場を主張せずとも
その大きさから、自ずと上下関係は成り立った。
チビ黒はゆきが好きだった。

ゆきのお陰で散歩も然程、手を煩わせなかったと思う。

しかし、犬って大変なモノなのだ、と
初めて知った気がした。
シートを食べ、吐く。。。排泄物も食べる。。。

これが食糞か。
食べなきゃ良いのに!

食べられる物とそうでない物の区別も
付かないのが犬?

とにかく大変だった。



---続く---