今更改めてだが。。。

ゆきは生後恐らく4ヶ月齢前頃;
まだワクチンプログラムも何も終わっていない時期;
から社交場へ通った。

こんなに犬に取り広々とし駆け回る場所が
あるとは恵まれている。
そう感じた記憶が鮮明だ。
当時何も考えず、数多く屯する大型犬や
時折チョロチョロと顔を出す小型部類の中に
紛れ込んだゆき。
今思えば、ゆきだからこそ良かったものの
新参者に対し、犬達はかなり唸り、チョッカイを掛けて
来たのだと思う。
数年前に会ったピートママが言っていた。

ピートはその頃、セカンドボス的な存在だった様に
思う。ゆきより2~3才上。
ゆきちゃんはピートの洗礼にも屈しなくて
フレンドリーだったからね。だから皆に受け入れられた
んだと思うよ。結構タフだったもん。と。。。

そうこうしている内に社交場でも
「良い子」の代名詞となったゆき。
嫌われ者の仔にも優しく、強い仔には気に入られ
匂い嗅ぎに対し執拗な小型犬達からは
慕われ、飼い主としても徐々に鼻高々となっていった。

そう言えば家まで見に来た、
以前トリマーをやっていたMさんという人もいた。
ゆきが匍匐前進をする姿を目の当たりにし
仰天していたのを覚えている。

この様な中、それまでの人生で褒められた事も
賞賛された経験も皆無だった自分は
嬉しく有頂天になっていったのだと思う。

犬ってなんて簡単に育てられるのだろう、と
思い始めていた。闘犬飼育経験者から
如何に犬は難しく大変か、どれ程手間が掛かるのかと
耳タコもので聞いていた事が嘘の様だった。

自分に何も持たない主婦等が、
ご主人の地位や子供の学校等に因り
自身のアイデンティティを確立してしまうと言うか、
取り巻く外的オプションのみが、即ち自らと錯覚して
しまう感覚。。。

つまりそのアイデンティティを構築してくれた対象が
居なくなってしまったなら、イコール自身も
消える、という事に等しい。

ゆきは私の全て。。。
乏しいアイデンティティを構築する全てだった。

ゆき。。。

本当に申し訳け無い事をした。。。