掛かり付け医は火曜日と金曜日が
予約体制になった。

本日23日9時予約、朝一番で狹いドアを入る。

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朝一は9時からの診察。。。
診察を受けている仔が居る場合には
夜間急の仔だろうと思う。
この病院は24時間受け付ける。。。が、かなり手薄。
普段受診して居る故、カルテは当然 
有るも、夜間の獣医は夜間専門の一人。
もし大掛かりなオペの場合には
呼び出しだと聞いた。。。

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勿論、誰も患者は居ない。
受付や診察室はこれから始まる診察の準備で
慌ただしい。

入口直ぐの受付で診察券を出そうと鞄をまさぐって居ると
獣医とVT、そして一人の初老の女性が
あの白い小さな箱を抱え、待合室の椅子の上に丁寧に置いた後
中の白い布を直して居た。
初老の女性の手には、恐らくその仔が
入れられて居たであろう、小さなキャリーケース。
救急で来たのだろうか。

胸が苦しくなった。

何か気の利いた言葉の一つでも言いたかったが
涙しか出なかった。
一時。。。ほんの十数秒だろうか、呆然とし
周りが暗くなる。
再び受付から呼ばれ漸く我に返る。

「白い柩」には平和会と書いてあった気がする。
平和会はこのエリアのペット霊園だ。
かなり歴史も古く手厚いご葬儀だと聞いて居る。
ゆきはそこではやらずに、ドグウッドという音楽葬
のつもりで居るのだが。

毎回、こう虚しい悲しい出会い遭遇は
もう本当に勘弁して欲しい。

。。。だが避けられない。。。

これは。。。生まれた以上は淘汰される。世の常。。。
そうなのだ、世の常なのだ。
何処の誰であろうと必ず、絶対「死」を以て
人生の幕を閉じる。

飼い主は、それを見送らなければいけない。
逆はあってはならない事。
そう言い聞かせるが無駄な努力と徒労に
終わる。

小さな「あの仔」が苦しまなかった事を願う。