口をキュッと結び、憮然として居る様だが
殆ど聴覚が失われた耳が前に折れ
これ又殆ど視野喪失の眼表情も読み取れない。
この日は吠えずに済む。
少しはゆきの身体への負担が軽減されそうだ。
半恒例となったキナコ勾配へ向かう。
Ｕターンをする予定が
まだ先へ行くと言う。
歩幅もだが、左右の脚幅も狭くなって居る。
更に酷くなれば、左右重なりエックス状態になるのだろうな。
そこまで生きられれば、の話だが。。。
体調を思うとかなり心配ではあるも、
取り敢えずゆきの行きたい方へ行く事に。
惰性であっても尻尾は持ち上がっては居る。
まだ連動出来て居るらしい。
かなりのパンティング。。。
頭部が益々垂れ、更に前肢へ負担が掛ってしまう。
だが
後ろにピントが合ってしまった。
早くもアジサイの芽達が
少しづつ膨らみ始めて居る。
四季それぞれの模様-枯た枝、膨らみかけた蕾も
黄色い葉、赤い景色。。。
全てが思い出になる。
ゆきと共に歩む輝く日々が
全て無くなる。思い出として残る等、残酷過ぎる。
今では意識し、ゆきとのあらゆる道程事物を
胸に刻もうとは思わない。
思わなくとも、勝手に深く深く刻まれて行く。
右後肢が湾曲して居る。
出発しもう既に２５分近く歩き通しだ。
後に響いてしまう。
何方かが拾いぶら下げて置いて下さった。
ゆき散歩では、本当に良く落し物をする。
手袋だけでもこれまで何双無くした事か。
何故か本当にゴチャゴチャと荷物が多く
体調優れずゆっくりのんびりと歩くゆきは別としても
どうもこう、何と言うかスッキリと颯爽に散歩が出来ない。
元々野暮ったいから仕方無いか。。。
一歩外へ出れば敵だらけ？のイヌ故か否か
元気振る。
いつものショートカットで畑断崖を歩く。
呼吸も苦しくなって来て居る口。丁度撮れる。
汚家上パーキングへも行きたいゆき。。。
此処こそ本当に止め速攻帰ろう
と決め歩き出した次の瞬間
やはり明日どころか、５分後は解らないのだから---
等と考えが変わり、結局寄るが
本末転倒な事をして居るのかも
知れない。。。
習慣的にリア側へ。
隙間を覗くと丸いお団子状の食べ物が
破れた薄いビニール袋に入れられて居た。
教えた記憶は無いのだが
ゆきは拾い食いはしない。
数年前、サツキの植え込みに顔を突っ込み
アンパンを咥えたまま振り返った事があった。。。
それでも食べず、こちらに了解を得る表情が
忘れられない。
無事帰還。
尻尾が立ち、振られて居るのは
水が飲みたいと言う理由。。。
ほんの数滴舐めたのみ。
画像で確認すると、水が丸まった舌裏に当たって
居ない様に見えるが。。。
